説火さんに誕生日プレゼントを頂きました(≧▽≦)/

いつも素敵なSSで楽しませて頂いてます説火さんが
私めの誕生日にSSを書き下ろして下さいましたよ!
では早速どうぞ!!
(文:説火様 挿絵:けつねうろん)


〈雪の思い出〉

「にゃっ!さむっ!」

その日ネコ娘は寒くて目が覚めた。
いつも起きる時間よりわずかに早い時間。
その為か室内もじゃっかん暗い。
寒さに震えながらストーブをつけ、部屋が暖まったあとようやく人心地つく。

ネコは寒さに弱いもの。

動きたくないという欲求からやっと解放されたネコ娘はいつもの調子を取り戻す。
まずは閉じられたままのカーテンをあけた。
そこに広がっていたのはいつもの風景…ではなく、うっすらと白に染まった世界だった。

「…ゆきっ!?」

窓をあけ身を乗り出せば、灰色の空からチラチラと雪が降っている。
積もるほどの雪が降るなど何年ぶりだろうか?
どうりで寒いはずだと、入り込んできた冷気にブルリと震え、窓を閉めることにした。

…昔ほど、雪に心浮かれる事はなくなった。
昔は雪が珍しいこともあり、降れば必ず鬼太郎を誘って遊んだものだ。
鬼太郎もその頃は雪が珍しかったのだろう、誘えばすぐに応じてくれた。
あの頃は横丁の子供妖怪の数も少なく、積もった雪を2人占めできた。
だから少ない雪でも充分に遊べた。

(…なつかしいなぁ)

昔を思い出せばクスクスと、ひとりでに笑いがもれる。

真っ白な大きな雪だるまが作りたかったのに、
大きなものを作ろうと思えば必ず土が混ざり茶色く薄汚れてしまった。
おまけに大きく作った雪玉は重くて持ち上がらず、結局はぬりかべに重ねてもらった。
鬼太郎はそれが不満だったらしくぷぅっと頬を膨らませていたが、
すぐに笑顔になり一緒に雪だるまの顔を作った。
手にはネコ娘の赤い手袋を使い、鬼太郎は自分のマフラーを巻いた。
完成した時は嬉しくてはしゃいだものだ。
…けれど雪はいつか溶けるもの。
その時の雪だるまも1週間とたたないうちに溶けてしまった。
それが悲しくて泣いていたネコ娘に鬼太郎はまた雪が降ったら一緒に作ろうと慰めてくれたけど、
結局その年の冬には積もるほどの雪はもう降らなかった。

それでもその後わずかに雪がちらついた日、鬼太郎は雪を集めて小さな雪うさぎを作ってくれた。
小さな赤い目玉と緑の耳を持ったそのうさぎはネコ娘の胸をとても暖かくしてくれた。

「そうだ!」

ネコ娘は小さく声を上げた。

ネコ娘はサクサクとなる雪を踏みしめゲゲゲハウスへと向かっていた。
その手には小さな雪うさぎが乗っている。
いつかの昔、鬼太郎がネコ娘に贈ったものと同じように、赤い目玉と緑の耳を持った雪うさぎだ。

鬼太郎はあの日に交わした約束を覚えているだろうか?
覚えていなくても構わない。一緒に雪だるまを作ろうと誘うだけだ。

その日、ゲゲゲハウスの窓には小さな雪うさぎと雪だるまが並ぶ事になった。

END



いかがでしたか?小さい頃の二人だけの思い出が凄くピュアで
いいですね〜〜〜(^∀^*人)
雪だるまが溶けて泣いちゃうネコ娘、どんだけ純粋なんだ><
そして最後の一行に二人の変わらない関係性と鬼太郎の優しさが
ぎゅっと詰めての締めくくりは流石です♪ う〜ん、萌え(人^-^)

更にこのSS、説火さんが私の本名の一部の「雪」を題材にして
書いて下さったというニクい演出の逸品です!すげー嬉しい♪

説火さんありがとうございます(≧▽≦)/
大事にしますね〜〜(人^-^)vvv



update:2011.2/7

戻る