説火さんから素敵なSSを頂きました(^∀^*人)

〈暗やみのなかで〉


「は〜ぁ…」
鬼太郎は大きなため息をついた。
今日はこれからネコ娘と映画を見に行く約束をしているのだが、
それが自分が苦手とする「恋愛映画」というやつで、正直気が重い。
アクションものなら眠らずに起きていられる自信もあるが…果たして今日はいつまで起きていられるだろうか?
向こうから掛けてくるネコ娘に力なく手を振りながらもう一度ため息をついた。

(信じられない…)
隣で小さな寝息をたてている鬼太郎にネコ娘は呆れた視線をやった。
予告の間はなんとか起きていたものの、本編のオープニングすら始まる前に寝てしまっている。
起承転結の「起」の部分すら始まっていないというのに…。

ーーズズズッ。と不機嫌な音をたててドリンクを飲んだ。

スクリーンの中ではヒーローとヒロインが不器用に自分の想いを語る。
ここまでくる間に2人はいくつかの誤解やすれ違いなどによる意見の対立、それによる別れがあった。
けれど互いに互いの大切さが解り、駅のホームで偶然再会したのをきっかけにして
もう一度やりなおせないかという様な事を互いが口にする。
それは全くの同時で、次の瞬間2人は笑いあい同じ方向に向かって歩きだす。
カメラはだんだんと小さくなる背中をずっと映している。
2人がもう一度やりなおせて良かったと、浮かんできた涙を拭う。
エンディングが流れるとともに、結婚したのだろう、同じ家で生活している2人の日常が少しずつ映されていく。
それも終わり、今度は歌とスタッフロールが流れるだけとなる。
その段階でようやく忘れていた隣をみればまだ寝ている。
今度は呆れるよりも怒りが沸いたが、ふと思いついた事があった。
そっと、鬼太郎へと顔を近付ける。

………。

「信じられないっ!スッゴくいい話だったのに!」
案の定途中で寝てしまった鬼太郎は、怒って先を行くネコ娘のあとを謝りながらついていった。

END

おまけ

(…なんか今日はいつもよりマシ?)
ネコ娘は確かに怒ってはいるが、その勢いはいつもより弱い。
なにかあったのかと思うが、寝ていた鬼太郎に思い当たる事はない。
前を行くネコ娘は怒ったフリを続けながら、内心でペロリと舌をだした。

(寝ている鬼太郎が悪いんだからね)

END



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いかがでしたか?
何だか凄っごく5期の二人らしいですけど、
ネコちゃんの悪戯が凄く可愛いですね(^∀^*人)
読んでてキュンとなっちゃいました♪
うらやましいぞ、鬼太郎!!

説火さん、本当にありがとうございます!!></

(1/26追記:挿絵描かせて頂きました^^
ちゅーの場面は二葉さんが描いたのでその後をw)

update:2011.1/14

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